コードバンについて

先日機会がありましてタンナーへ

行ってまいりました。

タンナーとは皮を革にする鞣し工場の事で

兵庫県播州地方が全国の7割を占めてます。

鞣しに重要なポイントは

塩漬けの塩と綺麗な水、

そして自然乾燥の風だそうで

播州地方に鞣し工場が多いのはこの条件がそろっているからです。

赤穂の塩、市川の水、河川敷に吹く風。

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鞣し工場には何度か訪れているのですが

今回はコードバンの鞣しを見学出来るという事で

非常に楽しみの企画でした。

<鞣しとは>

革に柔と書きますが、

決して柔らかくすることではありません。

細胞組織をしっかり架橋して安定させ

腐らないようにする事です。

架橋する薬品によって鞣しの種類があり

革の特徴がそれぞれ違ってきます。

皮を革にすることで腐らず、製品加工が出来るわけです。

まさに改革ですね。

 

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コードバンというのは

 

馬のお尻の部分にだけあるきめの細かい繊維層で

一頭で取れる量がとても少ないので大変貴重な革です。

よく見る光景は

通常の牛革だと全体の見開いた状態(アジの開き見たい)ですが

 

コードバンは馬の臀部部分(メガネのような形)でした。

 

 

*ここで豆知識です*

通常革は銀面と言う表革部分と床の裏革部分で出来てますが

コードバンというのはきめが細かい繊維組織で

馬の臀部にだけ、それも一部分に

銀面層と床革層の間にコードバン層なるものがあるのです。

なぜ馬の臀部にだけあるのかは謎だそうです。

因みにシマウマは背部にまでコードバンがあるそうですが、

野生種でありワシントン条約などで給は殆ど奇跡です。

*

そのコードバン層は表からも裏からも見えません。

床部分を削って初めて現れるので大きさは予測不能です。

 

皆さんが使ってるコードバンは銀面ではなく

実は裏側から床面を削り取った裏革なのです。

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鞣しは大きく分けてタンニン鞣しクロム鞣しがありますが、

コードバンは組織が繊細なため

クロム鞣しをすると破壊されてしまうそうです。

タンニン鞣ししか出来ません。

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皮というのは一般的に食肉の結果供給されるもので

革のために屠殺(とさつ)されることは日本ではありません。

因みに屠殺は「とさつ」を変換しても出てきません謎謎謎。

牛革が多いのはそのためです。

需要と供給がうまくいってるんですね。

馬は牛のように食べる文化が少なく

皮としての供給が少ないのです。

日本の熊本以外にはフランスで馬を食する文化があり

フランスから輸入されるそうです。

なので

希少で美しいコードバンのために

臀部だけを取る事は非常に不採算なわけで

ホースハイド(背部)の革も需要が即されるわけです。

コードバンが高価な理由がわかりましたか。

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コードバンが人気過ぎてホースハイドが目立ちませんが

決して牛に劣るわけではありません。

どんどん馬を食べろとまで言いませんが(個人的感想です)

ホースハイド(馬革)も贔屓にしてあげて下さいね。

きめが細かく手触りのつるっとした表面は

使うほどに柔らかく味が出てきます。

次回はヌメ革について書いてみましょうかね。

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